韓国語の敬語は3段階

韓国語の丁寧さのレベルは大きく3段階に分かれます。

レベル名前代表語尾使う場面
フォーマルハムニダ体-ㅂ니다 / -습니다スピーチ・ビジネス・初対面
丁寧ヘヨ体-아요 / -어요日常会話の敬語・標準的な丁寧語
タメ口パンマル-아 / -어友人・家族・年下

日本語も「です・ます」「タメ口」の使い分けがありますが、韓国語はさらにフォーマルな場面専用の語尾(ハムニダ体)が存在します。まず日常会話で最もよく使うヘヨ体を覚え、次にパンマル(タメ口)、最後にハムニダ体を習得するのが効率的です。

ヘヨ体(-요):日常の丁寧語

ヘヨ体は「〜요(ヨ)」で終わる語尾で、韓国語で最もよく使われる丁寧語です。日本語の「〜です・〜ます」に近い感覚です。

ヘヨ体の作り方:

動詞・形容詞の語幹の最後の母音が陽母音(ㅏ・ㅗ)なら-아요、それ以外なら-어요をつけます。

基本形語幹ヘヨ体意味
가다가-가요行きます
오다오-와요来ます
먹다먹-먹어요食べます
좋다좋-좋아요いいです・好きです
크다크-커요大きいです
예쁘다예쁘-예뻐요かわいいです

例文:

어디 가요?(オディ カヨ?):「どこに行きますか?」

뭐 먹어요?(ムォ モゴヨ?):「何を食べますか?」

정말 좋아요(チョンマル チョアヨ):「本当にいいですね。」

ハムニダ体(-ㅂ니다):フォーマルな敬語

ハムニダ体は語幹に-ㅂ니다(-습니다)をつける形で、日本語の「〜でございます」に近いフォーマルさを持ちます。

語幹の末音が母音なら-ㅂ니다、子音なら-습니다をつけます。

基本形ハムニダ体意味
가다갑니다行きます(フォーマル)
먹다먹습니다食べます(フォーマル)
있다있습니다あります・います(フォーマル)
없다없습니다ありません・いません(フォーマル)
하다합니다します(フォーマル)

使う場面:

– アワードスピーチや公式コメント

– ビジネス・就活・面接

– ニュース・アナウンス

– 初対面で特に丁寧にしたいとき

감사합니다(カムサハムニダ):「ありがとうございます。」(フォーマル)

잘 부탁드립니다(チャル ブタクドゥリムニダ):「よろしくお願いいたします。」

K-POPアーティストがアワード受賞スピーチで使っているのを聞いたことがある方も多いはずです。日常会話ではヘヨ体の方が自然で、ハムニダ体を日常的に使うと少し硬い印象になります。

パンマル(-아/-어):タメ口

パンマルはヘヨ体の語尾「요(ヨ)」を取った形で、親しい間柄で使うタメ口です。

ヘヨ体パンマル意味
가요行く・行くよ
먹어요먹어食べる・食べるよ
좋아요좋아いい・好き
있어요있어ある・いる
예뻐요예뻐かわいい
사랑해요사랑해大好き・愛してる

シンプルなルールとして「ヘヨ体から요を取るとパンマルになる」と覚えると、語彙が増えるにつれて自動的に両方の形を使えるようになります。

パンマルを使っていい相手:

– 同い年・年下の友人

– 家族(親・兄弟など年齢に関係なく親しい間柄)

– 恋人

– 自分が明らかに年上のとき(相手が了承している場合)

注意: 年上の人・初対面の人・職場の上司にパンマルを使うのは非常に失礼になります。

パンマルへの切り替えは相手から促すか、お互いの了解のもとで行うのが基本です。「말 놓을게요.(タメ口で話しますね)」というひとことがあってから話し方が変わるシーンは、ドラマでも頻繁に登場します。

パンマルでよく使う表現:

나 왔어(ナ ワッソ):「俺・私、来たよ。」

뭐 해?(ムォ へ?):「何してるの?」

그거 알아?(クゴ アラ?):「それ知ってる?」

나중에 봐(ナジュンエ バ):「またね・後でね。」

尊敬語:-시-(シ)を入れるとさらに丁寧に

韓国語にはヘヨ体・ハムニダ体に加えて、-시-(シ)を語幹に挿入することで相手の行為を高める尊敬語があります。日本語の「召し上がる・いらっしゃる」に近い感覚です。

作り方: 語幹に-시-を入れてから語尾をつけます。

基本形尊敬語基本形(-시다)ヘヨ体意味
가다가시다가세요行かれます
오다오시다오세요いらっしゃいます
먹다드시다드세요召し上がります
있다계시다계세요いらっしゃいます
말하다말씀하시다말씀하세요おっしゃいます

実際の使用例:

어서 오세요(オソ オセヨ):「いらっしゃいませ。」(お店・客への挨拶)

천천히 드세요(チョンチョニ ドゥセヨ):「ゆっくり召し上がってください。」

잠깐만 기다려 주세요(チャムカンマン キダリョ ジュセヨ):「少々お待ちください。」

-주세요(〜してください)は日常の丁寧な依頼表現として非常に頻繁に使います。ください(주세요)を覚えておくと、注文・依頼・お願いすべてに使えて便利です。

敬語の使い分け:実例で比較

同じ意味の文がどう変わるか比べてみます。

「ありがとう」

감사합니다(カムサハムニダ):フォーマル・最も丁寧

감사해요(カムサヘヨ):丁寧・日常の敬語

고마워(コマウォ):タメ口・親しい相手

「どこに行くの?」

어디 가십니까?(オディ カシムニッカ?):フォーマル・尊敬語を含む

어디 가요?(オディ カヨ?):丁寧

어디 가?(オディ カ?):タメ口

「ご飯食べましたか?」

식사하셨습니까?(シクサハショッスムニッカ?):フォーマル・尊敬語

밥 먹었어요?(パンモゴッソヨ?):丁寧

밥 먹었어?(パンモゴッソ?):タメ口

敬語・丁寧語に関するよくある疑問

Q:ドラマでは敬語とタメ口が混在しているが?

ドラマでは関係が変化するにつれて語尾が変わる場面があります。はじめてに出会うシーンではヘヨ体やハムニダ体で話していた人物が、仲良くなると「요(ヨ)を取って」パンマルで話し始める──これは「말 놓을게요(タメ口で話しますね)」という許可があって成立します。

Q:ヘヨ体は疑問文・命令文でも使える?

同じ「-아요 / -어요」の語尾でも、イントネーションを上げると疑問文語尾を伸ばすと依頼・命令になります。書き言葉では疑問符「?」をつけて区別します。

가요(カヨ)→「行きます」(平叙)

가요?(カヨ?)→「行きますか?」(疑問)

가요~(カヨ〜)→「行ってください」(依頼・柔らかい命令)

Q:「존댓말(チョンデンマル)」とは?

존댓말(チョンデンマル)は「敬語・丁寧語」全般の総称で、ヘヨ体・ハムニダ体を合わせた呼び方です。対義語の반말(パンマル)はタメ口全般を指します。

Q:「〜요」だけ付ければ丁寧になる?

日常会話では文末に요(ヨ)を添えるだけで丁寧さが増します。厳密なヘヨ体の形でなくても、文末の네요(ネヨ:~ですね)맞아요(マジャヨ:その通りですね)のように「요」がついていれば基本的に丁寧な表現として成り立ちます。

Q:「敬語で話してください」はどう言う?

존댓말로 해 주세요(チョンデンマルロ ヘ ジュセヨ):「敬語で話してください。」

반말로 해도 돼요(パンマルロ ヘド テヨ):「タメ口で話してもいいですよ。」

年齢が近い人と初対面のとき、どちらから切り出すか迷うことがあります。「반말로 해요(タメ口で話しましょう)」と言えば、親しくなるきっかけにもなります。

まとめ:韓国語の敬語レベル一覧

場面スタイル語尾の例「ありがとう」
スピーチ・ビジネスハムニダ体-ㅂ니다 / -습니다감사합니다
日常会話・丁寧ヘヨ体-아요 / -어요감사해요
友人・家族パンマル-아 / -어고마워

韓国語の敬語は「ヘヨ体から요を取るとパンマル」という1つのルールを知っておくだけで、語彙が増えるたびに敬語とタメ口を両方使えるようになります。まずはよく使う単語(가요・먹어요・좋아요)でヘヨ体を体に馴染ませてみてください。語尾のパターンがつかめると、語彙が増えるたびに自動的に敬語とタメ口を両方使えるようになります。

韓国語の文法をさらに体系的に学びたい方は「韓国語独学ロードマップ」、実際の会話フレーズで練習したい方は「韓国旅行で使える韓国語フレーズ55選」もあわせてどうぞ。